大府うららクリニック OBU ULALA CLINIC

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2025.11.03

院長自己紹介②

こんにちは!本日は自己紹介の続きです.

2015年から呼吸器内科医としての人生を歩み始めました.しかしそこには,研修医の頃に見えていたものとは全く違う景色がありました.研修医の頃は「肺炎で入院→抗生物質で治って退院」のような比較的良い経過をたどる方を担当していたため,「治すこと」が医師の仕事だと思っていました.ところが実際の呼吸器内科には肺気腫や間質性肺炎,進行期の肺癌など「治らないから一緒につきあっていく」病気の患者さんが非常に多く,その患者さんが残りの人生をできるだけ自分らしく,苦しくないように過ごしてもらえるよう支えることも自分の重要な任務なのだと感じるようになりました.

時には集中治療室で重症肺炎や肺胞出血(血管炎という病気により肺の中で出血している状態)の患者さんの治療にあたり,時には緩和ケア病棟に入院中の肺癌の患者さんの誕生日会で歌を歌ったり,ダイナミックに過ぎていく毎日でした.

呼吸器内科を続けていくうちに,肺炎や肺アスペルギルス症(カビの一種),結核といった感染症に興味を持つようになり,名古屋医療センターにHIV感染症の短期研修にも行かせて頂いたり,静岡県某所で開催されたとあるダニ捕りツアーにも参加したりしました.ダニ捕りではダニの大きさや形の評価,ダニ媒介感染症(日本紅斑熱やツツガムシ病など)がどのように伝播するのかを実地で学びました.

呼吸器内科医としてある程度独り立ちすると,その次は「呼吸器の中で何を専門にしていくか?」という疑問がふりかかります.興味があるのは感染症だから,肺炎や結核の専門家?なんとなくそんな風に思っていましたが,専門分野を深めていくということは非専門分野はなおざりになってしまうのではないかという懸念がありました.肺炎の専門家になっても,喘息や肺癌の診療がおろそかになってはいけない,もっといえば,循環器や消化器といった呼吸器以外の診療がおろそかになってはいけない.そもそも呼吸器内科に進んだのも「なんでも診れるから」のはず.そこで浮上してきたのが「家庭医」という選択でした.家庭医に関する書籍を読み漁り,家庭医療の専門施設に見学に行くなどして家庭医へ進むことを真剣に考え始めたのでした.

が,そんな中,コロナがやってきました.実はここで大府市と関わりがあったのですが,これはまた別の機会に書きます.安城更生病院でも新型コロナウイルス感染症の患者さんを受け入れることになり,率先して主治医をさせてもらいました.コロナ禍を契機に私の興味は再び感染症に傾くこととなり,呼吸器感染症のみならず感染症全体の勉強をするために,国立国際医療研究センター(現:国立国際医療センター)でのフェローシップを申し込み,8年間お世話になった安城更生病院を離れる決断をしました.

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