2025.10.19
院長自己紹介①
みなさんこんにちは!院長の奥村暢将です.
先日地鎮祭を終え,いよいよ着工となりました.本日は,医師になってからのキャリアを中心に私の自己紹介を書かせていただこうと思います.ざっくりまとめると,研修医2年→呼吸器内科6年→感染症内科5年...というキャリアなのですが,書きたいことがありすぎるので適宜分割しようと思います.
私は2013年に名古屋大学医学部を卒業後,愛知県安城市にある安城更生病院で初期研修を始めました.初期研修の2年間は救急外来での対応を学ぶことに必死でした.西三河の最後の砦となる病院でしたので,基本的に救急車は断ることはできません.病院としては年間8,000台を超える救急搬送を受けていました.心筋梗塞や脳出血,消化管穿孔(腸に穴が開く重病)といったメジャーな重症疾患の初期対応を1つ上の先輩や専門医の先生から教えていただき,今でも自分の救急対応の礎となっています.
さて,救急外来とは別に,「スーパーローテート」として研修医のうちにすべての診療科での診療を経験する必要がありました.研修医1年目でまずはじめにローテートしたのが内分泌内科でして,主に糖尿病診療を学びました.糖尿病は「血糖が高くなる病気」ですので,「薬で血糖を下げる」ことができれば(ある程度)治療は成功したといえるのですが,血糖を安全に効率よく下げるためにはその患者さんがどういう生活をしているかを把握する必要がありました.1日の食事回数や食事の時間・内容は?食事は誰が作っているの?運動習慣は?などなど.糖尿病診療は「糖尿病だからこの薬を使えばOK!」のような単純なものではなく,最適な治療は患者さんごとに違っているということを教えてもらい,パターン認識ではなく頭で考えて診療に臨むことの奥深さを感じた研修でした.
自分の人生の大きな転換点となったのは呼吸器内科での研修でした.呼吸器内科では肺炎や喘息,COPD(肺気腫),気胸などの患者さんを担当させていただき,多くの患者さんがご自宅に退院できるところを見届けることができ嬉しく思いました.当時の部長に「呼吸器内科はいいぞ.なんでも診れる.感染症も(例:肺炎),アレルギーも(例:喘息),腫瘍も(例:肺癌),変性疾患も(例:間質性肺炎),集中治療も...」と言われ,総合診療のマインドを持ちながら患者さんを治すことができると奮い立たせられました.また,呼吸器内科の先生方が非常に丁寧に,論理的に診療を教えてくださり,自分もこんな快刀乱麻を断つようなマネジメントができたらいいなと思い,呼吸器内科に進むことを決めました.
次回は呼吸器内科になってからのキャリアについて書こうと思います.